2011年5月1日日曜日

自転車発注した

Wilier La Triestina

2011年モデルなんですが、日本では2010年モデルが継続販売されている様子。

今回はhttp://www.bellatisport.com/にて購入。

スイスでのお買い物は今回が初めて。

自転車屋のおっちゃんと話をしてるときに、スカンジウム良いなーって話をしたら、

専門何?って聞かれましてね。

なんか金属を専攻してる人はカーボンに乗らないらしいです。

俺は機械屋ですけど、たぶんカーボンを嫌う理由はその人達と大筋では同じ。

信頼できないんですよ。

金属パイプってのは素材と形を見ればだいたい強度がわかります。

古代から使われてきた素材は単純だが、奥が深い。

限られた自由度の中で如何に造形するかってのにロマンを感じるんですよ。

一方で、新素材のカーボン繊維は形を見てもさっぱりわからないんですよ。

繊維の層を重ねて固めて作るカーボンチューブは、表からの情報だけではどうにもわからない。

内側で手を抜いていても我々消費者にはわからないんですよ。

金属チューブの破断なんて小学生でも見ればわかりますけど、

カーボンは繊維が損傷しててもなかなか気づきやしない。

自転車屋のおっちゃんは食わず嫌いじゃないのか、とか言ってたが、確かにそうなんだろう。

設計はもちろん機械屋がやってるわけで、信頼性は高い。

カーボン繊維だって、品番を見れば日本の化学系大手企業が製造元だ。

年単位で新たな技術を持ち出して鎬を削るカーボン業界。

一方で100年単位でしか進歩できない金属素材。

設計・製造技術の進化を見れば15年単位で進んでいるとは言えるかもしれない。

自転車業界に於いて、カーボンは既に金属を越えたと言われ、

一昔前とは違い、プロで金属フレームを使うチームはなかなかお目にかかれない。

しかし、進化の早さは我々貧乏人にとって苦痛でしかないのだ。

5年後には完全な型落ちとして、”旧素材製品”のレッテルが貼られる。

まぁ、そもそも素材なんて気にしてるのは工学系の人間だけかもしれないがね。

今カーボンを買って楽しめるはいつか、と考えると、せいぜい買ってから数年間。

それ以降も頑なに乗り続けられるだろうか?

劣化を始める樹脂をどこまで騙せるか?

落車してフレームを折らない自信があるか?

なによりも、糸をくるくる巻いて糊で固めただけって構造が恐ろしいんですよね。

自転車には命を預けるわけですから、納得できないフレームに跨る事なんてしたくないんです。

お買い得そうな価格設定のフレームは素材面で妥協してる可能性あるじゃないですか。

だからって良いお値段のするものなら安心かってそういうわけでもないんですよね。

カーボンは金属と違って、同じ品番の素材でも層の作り方によって強度がまちまちですからね。

まだ買い時ではないんだと勝手に感じてます。

”常識”がまだ確立されてないっていうのは怖いですよ。

長年培われてきた常識の範囲内なら安心できるんですけどね。

自転車用のカーボンにはまだその辺がしっかりしてない気がしてならない。

そもそもカーボン業界を知らない故の不信感かもしれないが。

フォークやシートステイのような直線的な箇所では、既に受け入れざるを得ない状況かと思う。

方向の違うチューブの接合を伴わないだけに、

ただ一方向に強度としなやかさを出しておけばいいという単純さもあるし、

フォークに於いては既に金属を凌駕していると誰もが思うだろう。

自転車の素材として無視できない存在だが、

業界がもう少し落ち着くまでフルカーボンには手は出さないでおきたいところ。

正直、今回のフレーム購入でカーボンも検討にしたんですよ。

ミドルクラスまでカーボンに浸食されてますから、金属にこだわると幅が狭くなるんですね。

メーカー各社には上位クラスまで金属ものを出しておいて欲しいんですけどね・・・。

カーボンで得た技術を金属にフィードバックする時がそのうち来るんじゃないかと思いますけど、

その頃が買い時かもしれません。

今はカーボンで手一杯ですけど、研究しても成果が得られないレベルになれば

他の素材に目を向けるでしょうから。


まぁ、希望的観測ですけど。

硬派な俺は硬い金属に乗りますよ。

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